アンビシャスとは「身分に過ぎた大きな望み」のこと |
< 論 説 >
そのマンションを計画した会社は、マンションデベロッパーの「大京」出身の方:安倍徹夫氏が、何とも勇ましく立ち上げた株式会社「アンビシャス」(2004年7月設立)。 この会社は、流山市向小金4丁目に建設予定と大層な言明を発信し続けて、何と通算すると15回以上にもわたる「近隣説明会」なるイベントを開催しました。このイベントにおいて、(株)アンビシャスは建設予定の「アンビシャス南柏(仮称)」に関して、あれこれ説明を重ねて建設工事推進を宣言。迷惑を感じていた近隣住民は、本来建設には反対ですが、認可をうけた工事計画へ何らかの解決が無いものかとこれらにお付き合いしてきました。しかし、2007年の秋からこうした事業を行うと再三再四公表しながらも、まったく二転三転、休止や変更の連続となり、経緯はどうあれ虚偽としか思えない成果しかあげませんでした。 不誠実極まりない会社という存在をまじかに見てきた一近隣住民として、猛省を促したい気分です。そこで、この社長さんがのたまったお言葉を以下のように総括し、これまでの会社の責任について振り返りましょう。 この会社のトップ・安倍徹夫氏、もともと叩き上げのマンション営業マンとして名を馳せたお方らしく、口から出るお言葉はパワフルかつ堂々たる装いをまとって、それ相応のスタンスで業界紙を通じて外部への公式発言は度々行われました。 会社設立初期の社長は、あるインタビューにおいて企業の活動と目指すものを滔々と語っている。その上で、次のように将来像を展開したのです。 ********************************
「アンビシャス」マンション分譲で本格始動(1月20日) アンビシャス(安倍徹夫社長)がいよいよ自社マンションの分譲を本格的に開始した。同社は安倍氏が扶桑レクセル社長を退任後、昨年7月に立ち上げた会社で、会社設立早々から社員数47人という大所帯であったことからも、動向が注目されていた。設立当初は分譲マンションの受託販売が中心だったが、いよいよ本格的に自社ブランドアンビシャス<}ンションを分譲することになった。 第一弾は「アンビシャスマンション東京シティ」だ。都営新宿線森下駅から徒歩2分の9階建て全23戸の規模で、専有面積は約41〜61平方メートル、価格は2710万〜4150万円 ( 坪単価219万円 ) 。昨年8月に完成予定の物件を買い取ったもので、外壁を45丁からニ丁掛けに変更するため竣工を今年2月末に延期した。分譲開始は昨年12月からで、現在残りは7戸。完成間近だったため設備・仕様をほとんど変更できず、同社独自の考えはほとんど盛り込まれていないが、駅近で単身者やDINKS、投資向けにも需要が見込めるものだけに、早期に完売しそうだ。 また、今月からはやはり買い取り方式の「浮間舟渡」28戸の分譲を開始したほか、「お花茶屋」51戸なども分譲する。単独自社開発の分譲は4月の「西船橋」からになりそうだ。 安倍氏は大京時代、同社としては初めて設計トップの日建ハウジングシステムを起用。ウッディフロア、アウトフレーム工法なども開発し、命名した。扶桑レクセル時代には、業界に先駆けて容積不参入部分の専用使用(アルコーブ)や、低床バスなどを採用、戸建て感覚や物干しポール、出窓下収納などの提案などを行っているアイデアマンだ。また、環境共生住宅にも力を入れ、「グリーンティエラ星が丘」では環境共生住宅の認定第一号を取得した。アンビシャス≠ナは、当時の設計担当メンバーも加わり、今後どういった商品企画になるか注目される。 安倍社長は「大京、扶桑レクセル時代には見えなかったものが見えてきた。他社の問題点もよく分かる。現場主義に立ち返り、新しいビジネスモデルを立ち上げたい。売上げ的には月間12〜13億円、年間120〜150億円を目指す。来年中に株式の店頭公開、再来年には東証上場を果たしたい」と意欲を見せている。
(2005年業界ウェッブ情報誌「RBAタイムズニュース」より) ********************************************************************************** ところが、その4年後の業界情報誌のインタビューでは、こうなっている! ****************************************************** 「今、分譲よりもマンションの買い取り再販事業に力を入れている」と言うのは首都圏でマンション分譲を手掛ける中堅デベロッパー、アンビシャスの安倍徹夫社長だ。取引先の銀行融資が短期資金中心のため、資金回収が速い事業で息をつないでいる格好だ。 (週刊東洋経済より) ******************************************************
さてはて、これまでのこの会社が為してきた事柄とトップリーダーたる阿倍社長の経営の舵取りはどんなものだったのか?はっきり言わしてもらいます。な〜んだ、出来もしないアドバルーンを上げただけで最後には「夢物語」となり、結局のところ一経営者の『大言壮語』でした。 {辞書によると: 『大言壮語』……実力以上におおげさなことをいう。} しかし、よくよく考えてみたら、この会社の基本スタンスはまさに「実現可能では無くとも、好きなアドバルーンを上げて企業活動していこう!」というものだったのではないのでしょうか。 誰が名付けたかわかりませんが、おそらく社長がネーミングしたとおもわれる会社名「アンビシャス」。英語で表記すると<Ambitious>。 Ambitious(形容詞)…「大望のある、野心のある、野望に燃えている」 となります。一般には、クラーク博士の言葉「Boys, Be ambitious!」(青年よ、大志を抱け)という人口に膾炙したフレーズからアンビシャス=「大志」と思われがちですが、ここでこれを引用するのはハッキリ言って無駄なことです。 「アンビシャス南柏(仮称)」のここまでのドタバタ劇経緯を見る限り、全く実現しない荒唐無稽な『夢物語』に終わっています。 そこで提言。会社名をハッキリしたものに変えたら如何? 改名する場合は、「ブラグ<Brag>」てなコトバもあるそうです。『大言壮語』に近いニュアンスとのこと。 『野望』……身分に過ぎた大きな望み。(同義)野心・非望 名は体を表すとはよく言ったものです。 (2012.4.2) |
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